こんにちは!
うんまほふうふ(@unmahofufu)Mahoです。
鹿児島県阿久根市での1週間滞在プログラムに参加してきたので日記にしてみました。
- 移住について興味がある、移住予定がある
- 地域おこし協力隊が主催する職業体験型の移住体験プログラムに参加してみたい(各地であるようです)
- 鹿児島県阿久根市について知りたい
私は阿久根市という町をほとんどといっていいほど知らなかったのですが、そんな町だからこそ参加してみてよかったなぁと思っています。
偶然行くことになった「阿久根(あくね)」
私は、昨年8月末で会社員を辞め、今まで見たことがない景色や人に出会うために旅をしている30歳。コロナになって始めたキャンプを通じて出会った友人や、会社員時代に行った旅行先で出会った方々が、自分のための時間をたくさんつくっていて楽しそうに暮らしているのを見て、「なんかいいな」と思うことが増えたのがきっかけだ。
そして近い将来、私もどこかに移り住んで、面白いと思ったことに取り組んでみたいと考えている。
旅の中で出会う人の考え方は様々で、なんといっても自由。良い大学に入って、良い会社に入れば、何をするにも不自由ない生活ができる。それをなんとなく理想の人生だと思い、生きてきた私にとっては刺激的な考え方ばかりで、とても面白かった。
今回お話しする阿久根市に出会ったのはひょんなことがきっかけ。前職でお世話になった方に、旅の途中で会うことになった。旅をすることになった経緯や、これから何か面白いことをどこかの地でやってみたいんだ、という漠然とした想いについて相談してみた。
すると、全国でやってる地域おこし協力隊のイベントに参加してみるといい、ということで知人に連絡をしてくれた。その流れで参加することになったのが、阿久根市ワーケーションプログラムだ。
地域おこし協力隊のワーケーションプログラムってなに?
阿久根市があるのは鹿児島県の北西部。鹿児島県の中心部でもある鹿児島市内よりも熊本県の方が近いといった場所。ここで6泊7日にわたり、いくつかの職業体験をしながら地方への移住についても検討できるという短期集中型のプログラムが実施されている。
参加が決まり、阿久根市について調べてみた。というのも、鹿児島県のイメージとして浮かんだのは焼酎や黒豚、地名で言うと桜島や指宿くらいで、阿久根に関して知っていることは正直何もなかった…。
ところが、実際には知っているもの、全国的にも広く知られるものがあったことに驚くことになる…!
それが、あの小さな箱に入っている「ボンタンアメ」。私は生まれも育ちも神奈川県であるが、ボンタンアメは駄菓子屋さんやスーパーでもよく見かけるし、好んで買っていたこともあった。ボンタンの産地であり、ボンタンアメをつくっていたのが鹿児島県の阿久根市だったことにびっくり!なんだか自分との共通点を見つけられた気がして嬉しくなった。
今回は、そんなこともあり、阿久根市の第一次産業に興味が湧いたので、職業体験の希望としては阿久根市の農業に関わるプログラムでの実施にしていただいた。
移住体験 Day1
阿久根に到着し、今回のプログラムを主導している地域おこし協力隊のお二人と合流。まずは集合場所だった阿久根駅を案内してくれた。
阿久根駅を見た印象は、まずオシャレなこと。思わず写真を撮りたくなるような可愛いデザインで統一された駅舎はどこを切り取っても素敵だった。電車の待ち時間にゆっくりできるカフェや、お迎えを待つ子供たちのための広い共有・自習スペースも確保されていた。
次に向かったのがPORT TOWN COFFEE。港町でもある阿久根で減少している鮮魚店を継業されたオーナーは、阿久根で仕入れたお魚をメニューにも組み込んだ美味しいランチを提供。地域の魅力的な産業の衰退が日本の大きな課題の一つであることに、このわずかな滞在時にもあらためて感じる。
そのあとは、今回プログラムに参加するきっかけになった方が経営する下園薩男商店へ。阿久根産のうるめイワシや真イワシを使ったキャッチーな商品をいくつも開発されていて面白い。第一産業に近いところから加工、商品化、販売まで幅広く手掛ける事業展開は素晴らしく、参考にしたいと思う部分も多くあった。
ここまででも、阿久根が漁業が盛んな町だと分かる。高齢化などで担い手不足などの課題もありそうだが、積極的に第二次産業以降への展開にも取り組んでいる事業が多く、とても興味が湧いてきた。
あいにくの天気で雪もちらつく中、「ぜひ見てね!」とおすすめいただいてた阿久根の海は大シケだったので、滞在中に見れることを願う。1日目終了。
港町珈琲焙煎所について
お店の概要 | ランチ&カフェ、コーヒー豆・雑貨販売 テイクアウトOK |
住所 | 鹿児島県阿久根市琴平町148 |
公式SNS | Instagramへ |
駐車場 | なし |
営業時間 | 9:00〜16:30(15:30~TAKE OUT) ※ランチ予約は前日までInstagram DMにて |
定休日 | 月・火曜日(祝日は営業) |
移住体験 Day2(職業体験①)
最初の職業体験を受けに、大石酒造さんへ。焼酎づくりを始めて120年余りという伝統ある蒸留所にお邪魔した。五代目社長をはじめ、現在はUターンで阿久根に戻られた娘さんも加わり、こだわりの味を守りながら新しい技術にも挑戦し続ける研究熱心な皆さん。いろんなアイデアを出し合いながら、和気藹々と楽しそうに焼酎を造られているのが印象的だった。
この日体験させてもらったのが、充填されたボトルのラベル貼り作業。ベテランの方々に教えていただきながら、表裏で1枚ずつ丁寧に貼ってゆく。お店で何気なく買っていた焼酎が、こうして手作業ででき上がっていく様子を目の当たりにして、とても感慨深いものがあった。
試飲では、代表ブランドの「鶴見」から、オリジナリティを追求した「橙華」などをいただいた。同じ鶴見でも、いくつかの種類を比較してみた。蒸留方法だけでもここまで味わいの変化が出るのか、とお酒造りの魅力を分かりやすく体感できた良い経験だった。
フルーティーな香りが楽しめたり、パッケージにこだわるところが増えてきたりと、幅広い年代の方に楽しまれるようになってきたことにも納得。私も焼酎への苦手意識がなくなってきたなぁと思うようになったからだ。
実は、日本の文化が海外にも広まっている中で、日本酒ブームを追うように、焼酎も世界に認知され始めているということを伺った。ある意味、焼酎業界も時代の変化を求められる節目に立っているのだろうと思った。海外からいろんなモノを取り入れるだけでなく、日本からもこうして発信できる文化が増えていくといいなぁ~。
大石酒造株式会社について
お店の概要 | 酒類製造・販売 醸造所での製品購入可 |
住所 | 鹿児島県阿久根市波留1676 |
電話番号 | 0996-72-0385 |
公式サイト | 大石酒造株式会社 (オンラインショップはこちら) |
営業時間 | 9:00〜12:00、13:00〜16:30 |
定休日 | 土・日曜日 |
移住体験 Day3
宿泊している塩屋ホステルさんで迎える2回目の朝。
生ハムとチーズの絶品トーストと淹れたてコーヒーをいただいて、朝イチで向かったのは海辺。月に一度、みんなで集まってビーチクリーンをしているという。
海の汚染問題が年々深刻になっているということはニュースでもよく見る。汚れの原因の多くは、大陸から出る小さなプラスチックの破片、マイクロプラスチックだとも。個人でできることは少ないかもしれないけど、「できることからやっていこう」というのはとてもいい取り組み。わずかな時間だったが、30Lゴミ袋が4枚ほどいっぱいになった。
お昼には、私たちの希望で移住者交流会を開いてくれた。実施場所は、脇本エリアのともまち珈琲。阿久根に移住された5名の女性が集まってくださり、みんなで美味しいカレーを囲む。
鹿児島以外から来ている方も多かったので、阿久根を知ったきっかけや、阿久根に移住する決め手となった出来事などを伺った。皆さんに共通していた想いは「居心地の良さ」というものだった。時間がゆったり流れるのが心地よかったり、地域の皆さんの温かさだったり。「なんとなく、ココいいなぁ~」という直感的な気持ちを大切にした結果だという。そういうのすごくいい!!
私たち夫婦にも、そんな感覚がきっとどこかの地で生まれるんだろうな~と皆さんと話していて思った。とても楽しい時間だった。
夜には、このタイミングで偶然開催された焚き火の会に参加させていただくことに。みんなでごはんを持ち寄って、自由気ままに飲んで食べて。阿久根で暮らす面白さや、これから阿久根でやってみたいことなど、「挑戦し続ける阿久根」を体感できた。
たくさんの方にお会いして、たくさん話せた濃い1日だった!
ともまち珈琲について
お店の概要 | ランチ&カフェ テイクアウトOK |
住所 | 鹿児島県阿久根市脇本13955ー4 |
公式SNS | Instagramへ |
駐車場 | あり(無料) |
営業時間 | 11:00〜17:00 |
定休日 | 月・火曜日 |
移住体験 Day4
今日は、阿久根に来てから初めてのフリーの日。とても天気の良い日だった。
昨日から泊まっている2ヶ所目の宿、きてんさんで目覚め、ごはんをいただく。皆さんから教えていただいたおすすめスポットを回る1日と決めた。
日本でも残り数名?という水中銃漁師さんが営むドライブイン潮騒でランチ。身の締まった刺身盛りの定食が美味しかった。
そういえば、初日に地域おこし協力隊のお二人から、「山と海のどっち派?」と聞かれたのを思い出す。海の町だと知っていたために曖昧に答えた気がするが、どちらかというと私たちは登山キャンプが好きで山派。でも、それはあまり海の町で過ごした経験がないから、というだけではないか?と数日過ごしてみて思うようになった。海のごはんはとても美味しくて大好き~
お昼を食べ終わる頃に、パーっと晴れてきたので海に行くことにする。いくつかおすすめいただいたところがあるが、近くの脇本海岸に行ってみた。横にずっと続く砂浜がとてもキレイでうっとり♡ 透明度も抜群で、雑誌に出てくるような景色だと思った。この海があれば、沖縄まで行かなくてもいいじゃん!夏だったらビーチアクティビティしたかったなぁ~。
朝電話して取り置きをお願いした園田精肉店の唐揚げとタレ付きモツを受け取って、道の駅阿久根に寄って帰宅。帰ってからは、大川エリアを散歩。町中にたくさんいる猫に癒されながら、霧島神社へ。ごはんが美味しくて、景色も良い。海の町に住むのもいいなぁ~と海派の気持ちに寄り添えた気がする。
ドライブイン潮騒について
お店の概要 | 定食屋さん |
住所 | 鹿児島県阿久根市脇本10367 |
電話番号 | 099-675-0193 |
公式サイト | ドライブイン潮騒へ |
駐車場 | あり(無料) |
営業時間 | 11:00〜20:00 |
定休日 | 不定休 |
移住体験 Day5(職業体験②)
阿久根に来て初めての電車に乗った。熊本と鹿児島をつなぐ肥薩おれんじ鉄道は、海沿いを通る絶景ローカル鉄道。九州の有名な観光列車、ななつ星も通る場所なんだとか。せっかくの海ビューは雨で見れなかったが、見えている気持ちで窓の方を向く。レトロな1両編成の車内は落ち着く空間だった。
阿久根駅からは、落合夫婦が営む落合ぶどう園まで車で送っていただき、午後にかけて収穫体験を行った。一般的には農薬を使うことが多いぶどうやレモンを、一から勉強し、無農薬栽培に切り替えてつくるようになったという。農薬を使えば、一定の収量で比較的ラクに生産ができるという利点はある。それでも難しさが伴い、生産が安定せずとも安心安全の方が大事だと考えるお二人の想いに共感。
実際にも、他県からの無農薬レモンの注文が絶えないという。私もレモンだけは、国産無農薬がなければいつも買うのを諦めている。農薬は便利だが、怖いものだと理解し、意識的に避ける消費者は世の中に多いのではないだろうか。
今は旬の時期ではなかったが、いつかお二人の想いが詰まったぶどうも食べてみたいな~。
落合ぶどう園について
概要 | 無農薬ぶどうの生産・販売 |
住所 | 鹿児島県阿久根市脇本6965-1 |
電話番号 | 090-7927-6190 |
公式サイト | 落合ぶどう園へ |
メモ | ・来園は予約制です ・ぶどう生産の他にもSUP、リバートレッキング、サーフィン体験も実施! |
移住体験 Day6〜7(職業体験③④)
ぽかぽかとした陽気の朝。ごはんを食べて宿泊先から徒歩5分の泰平食品へ。今日から2日間、ここで職業体験を行う。
出迎えてくださったのは、今回お世話になるBプロジェクト(ボンタンプロジェクト)の皆さん。タイミング的に、ちょうど「ボンタン湯」の季節だということで、全国の銭湯や温泉に向けた出荷準備のお手伝いをした。
皮が厚く、丈夫な阿久根のボンタンは、食用として皮から実までほぼ全てが丸まま活用される。一方で、主に外見の品質(形や傷がある)の観点で規格外や廃棄も多かったのだそう。
お風呂に浮かべて楽しむボンタン湯としての活用をはじめたことで、全国各地に届ける機会も増えてきたようだ。この日も大阪や愛知に届けるボンタンをたくさん見送り、地域を越えた話題性がすごいことを実感する。
後半戦ではボンタンの洗浄・仕分け作業を行った。洗浄機でキレイになったボンタンの水分を拭き取り、サイズ分けをしていく。同じ加工場には、食用ボンタンの剥き身を手作業で丁寧にカットしていく職人さんや、ボンタン皮部を加工してボンタン漬けを作る職人さんもいた。機械化が難しい作業も多いことを知る。
今回の体験を通して、Bプロジェクトの素晴らしさを感じた。特に、農家さん共同で目指すボンタンの高付加価値化の取り組みである点。みんなが抱える悩みだからこそ協力してブランディングしていこうという強い想いで溢れていた。皆さんの一言一言からボンタン愛が伝わってくる。ボンタン=阿久根と全国的にイメージがつくのもきっと時間の問題。
泰平食品について
お店の概要 | 生産:青果ぼんたん、サワーポメロ、甘夏みかん 加工:ぼんたん漬 |
住所 | 鹿児島県阿久根市大川8370 |
電話番号 | 0996-74-0556 |
公式サイト | 泰平食品(オンライン販売) |
阿久根での滞在で見えたこと
6泊7日のワーケーションでは、阿久根をいろんな形で盛り上げる皆さんに出会うことができた。そして、阿久根に移住された方と話すチャンスも多くあった。ゆえに、阿久根という町の今を多角的に見れたと思う。
「阿久根は一度訪れたら分かる魅力が満載」そう地域おこし協力隊のお二人が言っていたように、阿久根で1週間暮らしてみただけでも、心地良い時間の流れや景色、そして食と多くの魅力を体感できた。
阿久根で長く事業を展開されている企業さんも、ここ数年で移住してきた皆さんも、面白いと思ったことにはいくつも挑戦されていた。そこには企業も個人も違いはないんだと思った。
これから何か面白いことをどこかの地でやってみたい。その答えは同時に見つける必要はなく、ここで暮らしたいと直感的に感じる場所に住んでから面白いことを考えてみるのでも全然遅くない、そう思えた。
- 移住について興味がある、移住予定がある
- 地域おこし協力隊が主催する職業体験型の移住体験プログラムに参加してみたい(各地であるようです)
- 鹿児島県阿久根市について知りたい
まだ他の地域も見てみたい気持ちがあるので旅は続くが、阿久根という町に出会えたことでこれからの旅の方向性がより明確になった。滞在中の交流会や仕事の話を通じて皆さんの想いを伺うことができたからこそ。次あそびに来るときは、阿久根がもっともっと盛り上がっていそうで楽しみ♡
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