600年の帝国が生んだ“味の遺産”とは?イスタンブールで体感したトルコ料理の深層【ガストロノミー旅】

こんにちは。世界一周中の
うんまほふうふ(@unmahofufu)です!現地の食を通してその地や歴史的な背景を感じられるガストロノミー体験をテーマに世界一周旅をしています。

今回のテーマは、トルコの歴史×食文化について!

\ケバブとヨーグルトが一緒に出てくるの?!/
初めてイスタンブールの食堂でその組み合わせをみたときは、びっくり。

でも一口食べた瞬間、そんな疑問はどこかへ消えていった!

イスラム文化の香り、スパイスの奥深さ、そして広大な歴史を背景に持つオスマン帝国の面影…。

トルコ料理はただの“美味しい”を超えた、“歴史の記憶”だった。
600年の時を超え今もなお残る“味の遺産”とは、どんなものだったのか?

イスタンブール旅で出会った、食を通じて感じた歴史の真相に迫ってみた!!

目次

トルコ料理から感じた「歴史の重さ」と「多様性」

インドで買ったブランケットをスカーフがわりに!

イスタンブールに降り立ったのは早朝5時。まだ薄暗い中、街を歩いていて最初に目に入ったのは、空に突き刺さるようなモスクの尖塔と、伝統的なスカーフを巻いた女性たちの姿!

実はトルコこそ、初めて訪れるイスラム教の国✨

肌で感じる「イスラム文化」の空気の中で、食への期待が自然と高まっていった。

その期待は、実際に口にした料理たちに次々と満たされていった💭

ケバブ、サバサンド、トマトやヨーグルトを使ったソース料理、それから豪華なスイーツ。どれもが一つひとつ違う歴史と文化を背負っているかのように、多彩で、奥深いと思った!

東南アジア→インド→アフリカと回ってきてからの中東•トルコ。いろんな意味で、今までの国々とはまったく違う香りがする…!

ただ「美味しかった♡」だけでは終わらない。その背景を知りたくなる”味の記憶”こそが、今回の旅の一番の収穫だった。

600年続いたオスマン帝国が、食文化に残したもの

地中海とアジアを結ぶ帝国の交差点、イスタンブール

バナナの葉のようなモノに包まれたコレはなんだったんだろう…?

トルコという国の起源は、オスマン帝国を語らずしては成り立たない💭

もともとは中央アジアから移住したトルコ族(名をあげたのがオスマン1世!)によって建国され、西アジア(いわゆる中東)のほとんど、北アフリカ、バルカン半島などを支配したイスラム国家こそが「オスマン帝国」。14世紀から20世紀初頭にかけ、約600年も続いた大帝国なのです。

イスタンブール(旧•コンスタンティノープル)は、その首都として繁栄を極めた場所そのもの!

このイスタンブールには、世界中からスパイス、野菜、乳製品、魚介が集められていた。その歴史は、現代の料理にもしっかりと引き継がれていて、多様な味わいのトルコ料理を生んだと言われています♡

まほ

オスマン帝国とトルコ料理にはこんな関係があったんだ!

トルコスイーツから見える宮廷の栄華、庶民の味が語る日常のリアル

どれもとにかく甘い!上のパイ生地のような菓子がバクラヴァ。

トルコのスイーツは見た目からしてかなり豪華!!

美しいアートのようなバクラヴァは食べてみるととても甘く、クネフェのとろけるチーズとナッツの重厚感がすごい。これはまさに、宮廷文化の香りを感じさせる“食べる芸術”だと思った。

重さでの販売だったよ

イスタンブールの街中には、スイーツショップが並んでいてどれも見た目が可愛くてそそられる…!♡

まほ

トルコティーとも相性バツグンだよ✨

一方で、庶民の味が集まる地元の食堂「ロカンタ」では、豆やトマト、野菜をふんだんに使った煮込み料理が並び、素朴で優しいおかずの数々が楽しめます!

チーズ系、トマト系、豆系を頼んでみた!

ロカンタに入ったら、おぼんを手に取り、指差し注文。一皿のボリュームは大きいから頼みすぎると大変だよー!笑

参考までに、だいたい一皿100〜150トルコリラくらい。(1トルコリラ=3.6円 :2025年6月)

トルコ料理は、王族から庶民までが関わった多層的な“味の交差点”なのだと改めて感じられます。

現地で感じた“味の多様性”とそのワケ!

ケバブは「ステーキ」だった?食べてわかった本場の実力

私の中で「ケバブ」といえば、日本の原宿などでみるロールサンド形式のものでした。

日本のように出汁の深みはないんだけど食材とスパイスの配合が絶妙!

ところが、現地の定番は「ケバブステーキ」。大きな鉄串で炭火焼きされたものか、野菜との肉炒め。スパイスと塩のみのシンプルな味付けが基本。

うんちゃん

トルコでケバブを初めて頼んで食べた時のその一口の力強さには、正直言葉を失ったよ…。

それは、とってもジューシーで口の中に広がるお肉の旨みがとにかくすごかったから、、!

カッパドキアで食べた壺ケバブは豪快なファイヤーを目の前で!

こうした“素材そのものの味わいを大切にすること”“素晴らしい火入れの技術”こそ、オスマン帝国の食文化の一端なのでしょう!

海の幸サバサンドvs山の幸マンティ 多様性あふれるトルコメシ!

匂いでサバサンドのお店が近くにある!って分かる。

ガラタ橋の近くで出会った名物「サバサンド」は、イスタンブールの港町らしい一品。

イスタンブールは、ヨーロッパとアジアが交差するボラポラス海峡に面した独特の地形にあり。旧市街エリアと新市街エリアを結ぶガラタ橋の上では、朝から夕方まで釣りをする人でいっぱい!

1階も2階も釣り人だらけ…!参加してみたかった。笑
まほ

こんなに人がいて釣れるのか?と思ったけど、みんなバケツいっぱいに魚が入っていたよ。笑

そんな賑やかなエリアでいただけるサバサンドは、パンに熱々の焼きサバと野菜、そしてレモンを巻き込んだロール状の食べ物!実にシンプルだけど、絶妙なバランスでめちゃくちゃ美味しい。

うんちゃん

トルコ料理の中で、個人的には一番コレが好きかも〜!

何回か食べた中で一番オシャレだったマンティ。笑

一方で、内陸にある絶景都市カッパドキアで食べた「マンティ」は世界一小さい餃子と言われる特有の料理。水餃子のような小さな団子状のマンティを、濃厚なヨーグルトソースとにんにくの効いたトマトソースで絡めた、見るからにうまそうなグルメ!

まるでアジア料理と地中海料理が融合したような、不思議な味わい✨これもまたハマっちゃう味だった!

ヨーグルトとにんにくが主役?味付けにおける「イスラム的」ルール

ソースやサラダ、いろんな活用をされていた!コレが美味しいの♡

マンティのようなヨーグルトとにんにくの組み合わせは、実は多くのトルコ料理に登場します。

これは保存技術としての発酵文化と、イスラム的な調理法(豚肉不使用・香辛料活用)との融合によるもの。

朝食に出たスズメヨーグルトは水分少なめでギリシャヨーグルトのようだった。

トルコのスーパーに行ってみると、冷蔵庫に占めるヨーグルトの割合が非常に高いことに気づきました。なんでだろうと思って聞いてみると、トルコは”ヨーグルトの発祥地”なのだそう!

\え?ヨーグルトってブルガリア生まれじゃないの?/

そうなんです。

なんと、本場はトルコで、ヨーグルトという名前自体もトルコ語の「Yoğurt(ヨーウルトゥ)」から来ているのだとか。

肉料理には、必ずアイラン!!さらっさらの食感。

トルコのマクドナルドにも、飲むヨーグルトとして親しまれる「アイラン」がメニューにあるほど、いかに身近な食べ物かを認識💭

まほ

日本の飲むヨーグルトと違ってしょっぱいから最初はびっくりするはず!笑

そんな日常的な発酵食品であるヨーグルトと、香辛料を多用するイスラム文化の組み合わせは必然だったと考えられますね✨

うんちゃん

ニンニクを多く使うことで、うま味が増して食べ応えをものすごく感じるかも!!

単においしいだけでなく、文化と宗教が生んだ“味の知恵”がそこにはありました。

イスタンブールの市場で感じた“歴史の鼓動”

世界最大級グランドバザールの熱気に圧倒される!

市場に入った途端この景色。ちょっとハリーポッター感もある。

イスタンブール観光で外せないスポットの一つが世界で最も大きい市場だとも言われる「グランドバザール」。屋根付きの屋内市場で、香辛料、乾燥果物、チーズ、革製品、トルコグラスなどで溢れかえっています。

その巨大さだけあって入り組んだ迷路のようなグランドバザール。お店も似たようなものばかりで、意識しないとどこを歩いたのか分からなくなってきます。笑

こちらが日本人だと分かると、日本語で「美味しいよ、トルコだけだよ」などいっぱい話しかけられる。

スパイス店の次はお茶やお菓子を大量に扱う店。本当に世界中から集められた食材の宝庫なんだ!と身をもって感じられました。

邪視から守ってくれる魔除けなんだって!色合いも可愛い✨

トルコの魔除けと言われる目玉のようなお守り・ナザールボンジュウもたくさん見かけました。(お土産に可愛いよ♡)

その混沌としたエネルギーは、ただの買い物以上の体験に!!

歴史を感じながら入ってくる他の情報:色、香り、会話……そのすべてが五感を刺激してくる場所です!

市場が語るオスマン帝国時代の「食」と「交易」

ティーには角砂糖を一つ丸まま。そしてトルコグラスが可愛い♪

このグランドバザールもまた遥か昔、オスマン帝国時代の交易の中心でした。

シルクロードの西端であるイスタンブールの地に、商人たちが様々な国の食材を持ち込んだ大事な拠点です。

そんな歴史的背景も、トルコ料理にスパイスやナッツ、オリーブオイル、乾燥果実などが多用される理由の一つになります。

イスタンブールの巨大市場は、国の料理文化の“原点”でした。

グランドバザールは主に食材など材料類を販売する市場ですが、一部のエリアに飲食店も参画しています。バザールで販売される食材を使ったトルコ料理や、お店を営む人々がお茶休憩(トルコティーで一服✨)をする場所のようでした。

現代に生きる“伝統の仕組み” は 販売方法と信頼関係にあり

ガラタ橋近くの市場は地元の人向けって感じだった

バザールには、同じモノを販売するお店が多いように感じられました。その理由は昔から続く伝統にあったのです。

多くの人々は今でも“行きつけの店”で買い物をします。母がそこで買えば息子も同じお店で…世代を超えて同じ生産者を信頼し、そのお店にないものは「店主に頼んで取り寄せる」という習慣が根付いています。

このような「顔の見える取引」は、デジタルに物を手に入れられるなど選択肢の幅がある今の世の中を思うと、すごく興味深いものでした。

そんな大帝国時代の風習が現代のトルコにも色濃く残っており、まさに“帝国の記憶が生きる”現場そのものだと感じました。

地域ごとの料理こそ土地を語る

カッパドキアにエフェソス。豊富な食の地理的バリエーション

広大な地、そしてヨーロッパとアジアの境目にあるトルコならでは。多彩な料理の数々にはとことん魅了されました。

トルコはおもしろいことに、さまざまな気候帯をもつ特殊な地形にあります。例えば、北部には黒海があり温暖ながらも湿気が多い「温暖湿潤気候」、東部・中部は内陸地形により「大陸性気候」にあたり、南部・西部はエーゲ海に面した「地中海性気候」となっています。

同じ国の中でも気候の特徴が変化に富むことから、食の観点においても地理的バリエーションが存在するのです。

今回の旅では北部以外の地域に訪れましたが、カッパドキアでは羊肉や根菜など、エフェソスではフルーツや葉物などを使った料理が見られ、土地ごとの気候と地形が現れていると感じました!

見た目で分かりづらいけど中にはほうれん草とチーズ。ギョズレメという!

気候の面以外に、トルコには遊牧と定住の文化が混在していることからも、さまざまな食材と料理のスタイルが発展していったのだと伺えますね!

「この味はこの土地のものだ」と実感する瞬間は、まさしく旅の醍醐味です。

まとめ : 食べることは歴史を味わうことだった

トルコの宿での朝食はどこも豪華で幸せ度数120%♡

トルコ料理は世界三大料理にも挙げられるほどその歴史と多彩な食文化が大いに評価されています。

トルコ料理を味わうことは単なる味覚の体験ではなく、宗教、文化、地理、そして帝国の歴史までもを語る「味の記憶」でした!!

イスタンブールをはじめとするトルコの都市周遊を通して、その奥深さを体感できたのは、何にも代えがたいガストロノミー経験でした。

トルコに行かずとも日本でも探せば、トルコ料理店はたくさんあります!

次にもし、ケバブやバクラヴァを口にすることがあれば、その体験こそが600年の歴史を噛みしめる時間になるかもしれませんね♪

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次